96年度 研究室年報

1 建築構法
1−1 ビルディングシステム

PCa化だからこそできる
It is Precast Concrete That Enables …

技能工が不足する近未来に向けて、PCa工法をいかに誰でも使える技術にしていくかは大切なテーマである。そうした特集の巻頭論文。
松村 秀一
施工、1996-4

1−2 構成材・部品

現代の「旧素材」と「新素材」の展開
"Old-fashioned" Building Materials and "Futuristic" Ones for Architectural Design

現代の建築設計にとっての素材の存在の仕方について、その重要性を指摘し、これからのそのあり方を指摘している。
松村 秀一
建築雑誌、1996-5

現代部品工房
Contemporary Parts Atelier

季刊誌「GA(Glass & Architecture)」連載のもので、部品メーカーと設計者の協同によるものづくりのルポルタージュ。
小見 康夫、佐藤 考一、名取 発
GA(Glass & Architecture)、1996-Spring、Summer、Autumn、Winter

役物に注目した乾式外装システムに関する研究 その1 外装メーカーにおける役物の捉え<方
A Study on the Cladding system from the Viewpoint of "YAKUMONO" Part1:Scope of "YAKUMONO" Recognized by Cladding Manufactures

都市型中小ビルの外壁構法として採用されることの多い乾式外壁システムに着目し、外装材メーカーにおける役物の捉え方を考察したもの。
加々井 千裕、佐藤 考一、松村 秀一、山本 正人
日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)、E-1 建築計画T、PP573-574、1996-9

役物に注目した乾式外装システムに関する研究 その2 設計者の役物の捉え方について
A Study on the Cladding system from the Viewpoint of "YAKUMONO" Part2:Scope of "YAKUMONO" Recognized by Designers

都市型中小ビルの外壁構法として採用されることの多い乾式外壁システムに着目し、設計者の役物の捉え方を考察したもの。
山本 正人、佐藤 考一、松村 秀一、加々井 千裕
日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)、E-1 建築計画T、PP575-576、1996-9

設計志向型部品に関する研究
A Study on Design Oriented Building Components

現在の建築生産工業化の下で可能であるはずの、高い設計自由度を備える「設計志向型部品」に関して、その成立要件および役割について建築設計の視点から論を展開した。
佐藤 考一
学位論文、1996-12

1−3 外壁

カーテンウォールに歴史あり
The History of Curtain Walls in Japan

日本のカーテンウォールの歴史上1964年がメタルにとってもPCにとってもエポックだったことを指摘し、その後の発展の経緯と最近のキーワードを簡単に紹介をした。
清家 剛
建築技術 施工、1996-12

2 木質構造(木造建築)
2−1 集成材構造

第2章 合わせ梁+シアファスナー型接合部(英語)
Section 2 Joint of Beam and Shear Fastener

モーメント抵抗接合のうち、合わせ梁型接合の設計法を記述したもの。合わせ梁型のうちでも、シアファスナーを用いたものの設計法を記述した。
大橋 好光、五十田 博
直通集成材を用いたラーメン構造の設計法、1996

2−2 在来木造・伝統木造

兵庫県南部自身における木造戸建住宅の被害
Seismic Performance of Wooden-Detached Houses Subjected to the 1996 Hyogo-ken Nanbu Earthquake

兵庫県南部地震における木造住宅の被害のうち、在来工法による戸建住宅を重点的に調査した結果について報告したもの。
大橋 好光、坂本 功
Eleventh World Conference on Earthquake Engineering (CD-ROM版)、1996-7

伝統木造建築における柱貫接合部の実験的研究(その1)
A Study on Lateral Loading Test of Colum and Batten(NUKI) Joint used in Traditional Wooden Architecture

伝統木造建築の主要な水平力抵抗要素である柱貫接合部の内、特に柱内に略鎌計の継手を持つ貫について、静的水平力試験を行い、その力学的特性について述べた。
藤田 香織
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

軸組構法住宅の実大振動実験(A棟)(その1〜3)
Full-Scale Shaking Table Test of Two Storied Wooden Dwelling House (Type A)(Part1〜3)

軸組構法による2階建て木造住宅の振動台実験の結果を記したもの。その1は実験全体の概要を、その2、3で、A棟試験体の結果を述べた。
田中 裕樹、坂本 功、大橋 好光、宮澤 健二
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-10

我が家の防災-耐震診断
Diagnosis of Seismic Performance of My Home

阪神・淡路大震災に地なんで、一般の人むけに、在来工法を中心とする木造住宅の耐震の考え方と、耐震診断の方法について話した内容を文章化したもの。
坂本 功
東京大学公開講座「防災」、P.273、東京大学出版会、1996-9

地震に強い家づくり町づくり
How to Build House and Toen against Earthquakes

日本建築学会が主催して1995年10月21日に行った公開シンポジウムのうちのパネルディスカッションに坂本が参加したもので、単行本になったもの。
坂本 功 他
日本建築学会編『日本に強い家づくり町づくり』、彰国社、1996-9

兵庫県南部地震被害調査から分かったこと
What observed from the Survey on the Damage at 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake

1995年以来兵庫県南部地震の被害調査から分かったことを記述した。経年との関係、構造計画上の問題点、各部構法の問題点、他の構法(2×4、プレハブ)との比較など。
大橋 好光
1996年度日本建築学会大会(近畿)、木質構造部門パネルディスカッション(資料集)木造住宅の耐震性、1996-9

試験体Aの実大振動実験
Part 3 Full-scale Shaking Table Test of House A

大橋 好光
木造住宅実大実験報告書、(材)日本住宅・木材技術センター、1996-10

木造建築を考える (1)在来軸組構法
Consideration on Wodden Structure (1)Conventional Frame Construction

「木造建築を考える」シリーズの第一弾として、在来軸組構法について概説し、その問題点と将来展望を述べたもの。
大橋 好光
木材保存、(社)日本木材保存協会、1996-11

プレカット工法
Precut System of Conventional Wooden Construction

建築士のための指定講習会テキスト中に含まれた項目の解説。プレカット工法の内容とその発展過程、設計上の留意点について述べたもの。
松村 秀一
建築士の役割と技術、1996-12

住友林業システム住宅実大加力実験報告書
Report on Full-scale Shaking Test of System-House developed by Sumitomo Forestry Co.Ltd

住友林業が開発したユニット構法の軸組住宅について、実大試験体で加力実験を行い、その結果をまとめたもの。
大橋 好光、坂本 功
1997-3

4.木造住宅におけるジョイント金物の調査
4.Survey on Joint Fasteners for Wooden Houses

木造住宅の金物を開発するプロジェクトの一端として、既存の金物を調査分析したもの。
腰原 幹雄、大橋 好光
平成8年融合化開発促進事業成果報告書および成果資料、協同組合デービージー、1997-3

木造実大振動実験報告書(C棟:新日本住宅株式会社)
Report of Full-scale Shaking Table Test (House C:Shin-Nihon Juken Co.)

多度津において実施した一連の実大振動実験のうち、C棟について報告したもの。C棟はサーモパネルという新しい画材を利用したもので、軽量の建物となっているのが特徴。
大橋 好光、坂本 功、田中 裕樹
(財)日本住宅・木材技術センター、1997-3

レベルA及びBの設計法
Section 2 the Design Method for Level A and B

木造住宅の構造設計手法開発の一環として、レベルA及びBについて、その考え方を記載した。レベルAはいわゆる壁量設計法を改良するものと位置づけ、概要を記した。
大橋 好光
住宅資材標準化推進指導事業報告書(木造住宅構造設計手法の開発)、(材)日本住宅・木材技術センター、1997-3

2−3 木質構造一般

6.1 EN594:翻訳及び検討
6.1 EN594, Translation and Consideration

木造の実験法に関するISOのうち、耐力壁の試験法に関するEN規格を翻訳して、その問題点を指摘したもの。
大橋 好光
ISO/TC165国内審議委員会報告書(木質構造分科会)、1997-3

2−4 木質構造その他

プレカット工場紀行 55〜65回
Travel Sketches to Precut Factories of Wooden Post & Beam

今年は鹿沼、松山、浦和、名古屋、呉、都城の6ヵ所のプレカット工場を訪問している。
松村 秀一
住宅と木材、1996-4〜1997-2

住宅金融公庫融資住宅木造工事共通仕様書の改訂と利用の実態に関する研究
A Study on the Revision and Users' Appreciations of the Wooden Construction House Standard Specification established by Covernment Housing Loan Corporation of Japan

表題に揚げる仕様書に関して、制定後の改定の分析と設計者の仕様書に対する意識調査を行い、改訂経緯分析の基礎的資料の収集ならびに仕様書の位置づけの把握を行った。
高木 郷
修士論文、1997-3

3 建築生産
3−1 生産供給

住宅の入手性と技術開発-20世紀の経験-
The Relation between the Affordability and the Technology Innovation in House-building

住宅の建設費について、技術開発がその削減に寄与するという誤解の存在を、20世紀の様々な例証を示す形で、具体的に指摘し、批判している。
松村 秀一
建築雑誌、1996-9

PCa板埋込み物の分離可能性に関する分析
The Analysis on the Possibility of Separationg Production of precast Concrete Imbeded

PCa板による集合住宅の生産性について、PCa板内から電気埋込み物を総て排除した現場の効果を、工場生産性、現場生産性の面から評価した。
孫 志堅、清家 剛、松村 秀一
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

PCa工法を用いた集合住宅の躯体と内装、設備の分離有効性に関する研究
集合住宅の躯体のフレキシビリティをその構面型との関係から分析すると共に、PCa集合住宅に関して電気関係埋込物を排除した場合の生産有効性について検証を行った。
孫 志堅
学位論文、1996-12

部品流通のグローバリゼーション
Globalization of the Distribution of Building Components

近年増えつつある建築部品の国際的な流通についてその実態を明らかにすると共に、今後の建築設計に及ぼす影響などについて論じている。
松村 秀一
新建築住宅特集、No.130、1997-2

造家と造林
House-building Industory and Forecast Industory

日本三大美林の1つに数えられることもある天竜の地を訪れ、杉産地の変容とこれからの林産地と住宅建築との関わりについて考察している。
松村 秀一
新建築住宅特集、No.131、1997-3

解放後の中国における住宅関連技術の発展 中国における住宅生産の工業化の意味-その1-
Development of Housing Technology after Liberty in China On the meaning of Housing Industrialization in China Part 1

建国40周年の中国の発展史や工業化に欠かせない技術進化や実際に使用されている構法の特徴を考察した。それらによりこれからの中国住宅生産のあり方へが示された。
范 悦
建築学会関東支部研究発表会研究報告集(計画系)

3−2 ハウジング

近未来ハウジングのキーワード二題
Keywords for Future Housing

「ハウジング戦略の透視図- 51年目のハウジング計画」と題したと特集の中の論考。近未来のハウジングを考える上でのキーワードとして「ストック」、「情報」を挙げている。
松村 秀一
群居、40号、1996-5

座談―建たない時代
A Talk - No Building Will Be Built!?

布野修司、渡辺豊和、の二人と、これからの日本の住宅=町づくりの方向性について話し合ったもの。キーワードは「ストック」である。
松村 秀一
群居、40号、1996-5

ストック型社会への備えのススメ
The Importance of the preparation for the Stock-Oriented Society

分譲住宅業者向けに、ストック型重視の市場構造への変化の筋道を説き、そのことへの対応の必要性を訴えている。
松村 秀一
ハウスビルダー、No.374,1996-7

新産業論50-未来の住まい産業
これからの住宅産業について、第一に再生市場向け技術開発の重要性、第二に性能表示の重要性、第三に部品をめぐる情報環境の重要性を指摘している。
松村 秀一
日本経済新聞、1996-6月17日

ストック社会の中での住宅生産システム
Housing in a "Stock-Oriented" Society

安藤正雄、秋山哲一との座談会。新築需要の急減或いは漸減を前提とした場合、日本の住宅生産システムはどの様に変わるべきか、変わらざるを得ないかを語っている。
松村 秀一
住宅建築、1996-10

イギリスに学ぶ
Learning from U.K.

群居41号「イギリス」の前記として、ハウジングについて何故今イギリスに学ぶ必要があるかを記したもの。
松村 秀一
群居、41号、1996-11

プロダクトとしての住宅11-住まいはデザインできない
Houses as Products (U)-Dwellings can't Be Designed-

可変住宅、或いはアダプタブル・ハウジングと呼ばれる手法の現実について、内外の事例に基づいて論じたもの。
松村 秀一
群居、41号、1996-12

初期の工業化戸建て住宅の変容過程に関する研究
A Study on the Process of the Change in Early Prefabricated Houses

初期の工業化戸建て住宅団地において、増改築、建替え等の住宅への働きかけがどのように行われたかを調査分析し、ストックの現状の一端を明らかにする。
向田 雄一郎
卒業論文、1996-12

戦前のアメリカにおける住宅へのプレファブリケーション導入に関する研究
A Research on the Introduction of the Prefabirivation to Small Houses in America before World War U

住宅へのプレファブリケーションの導入を最も早く本格的に行った1930年代のアメリカの例を、当時の建築雑誌を基に網羅的に調べ上げ、体系化した。
北村 禎夫
卒業論文、1997-2

初期の工業化戸建住宅による住宅団地の変容に関する研究
A Study on the Transformations of the Housing Sites Composed with Early Industrialised Detached Houses in Japan

初期の工業化戸建住宅で同時期に建設された3団地において建設以降の変容を調査した。この梗概においてはG団地について詳述し、他の2団地とは残存率の比較を行った。
脇山 善夫
修士論文、1997-3

「輸入住宅」の供給実態に関する調査研究 その1.「輸入住宅」の供給者特性について
A Study on the Supply of Imported Houses No.1 Supplier's Characteristics

現在日本国内で盛んになりつつある「輸入住宅」に関して、国内供給業者へのヒアリング調査を通した考察を行い、それらの具体的特性を明らかにした。
小見 康夫、名取 発、脇山 善夫
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

「輸入住宅」の供給実態に関する調査研究 その2.
A Study on the Supply of Imported Houses No.2 Domestic Supply

現在日本国内で盛んになりつつある「輸入住宅」に関して、国内供給業者へのアンケートを通して、供給主体の現状を明らかにすると共に各輸入資材の普及度の調査を行った。
渡辺 絵理子、松村 秀一、小見 康夫、名取 発
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

「輸入住宅」の供給実態に関する調査研究 その3. 「輸入住宅」の米国北部供給元実態及び流通形態について
A Study on the Supply of Imported Houses No.3 A Research on the Building Material Export Companies in Pacific North West and a Study on the Type of Building Mterial Distribution System

現在日本国内で盛んになりつつある「輸入住宅」に関して、主供給先の米国北西部及び国内でのヒアリングを通して、供給もとのじったいを明らかにし部材流通形態のタイプ分けを行った。
脇山 善夫、米田 雅子
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

「輸入住宅」の供給実態に関する調査研究 その4.
A Study on the Supply of Imported Houses No.4 A Research on the Piblic Association and the Types of Exportation

北米での調査をもとに、輸入住宅に関する公的機関の実態と貿易形態について分析・考察を行った。
米田 雅子、脇山 善夫
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

ヨーロッパにおける集合住宅の再生
フランス、デンマーク、ドイツにおいてマスハウジング期に建設された集合住宅がどの様に再生されているかを、事例紹介という形で分かり易く示している。
松村 秀一
建築仕上技術、1996-7

欧米における集合住宅の再生
Rehabilitation Projects of Multi-family Dwellings in Europe and U.S.

これまで集合住宅の再生研究グループで収集してきた欧米の事例について、そのほぼ全てを約25ページにまとめ紹介している。
松村 秀一、村上 心、梁 成旭、西村 秀之
リフォーム、1996-8

マスハウジング期に建設された集合住宅の再生手法に関する研究 ―その1―用語とレベル
A Study on the Rehabilitation Method of Collective Housing Built in Mass-housing Era -Part 1 A Study on Words and Rehabilitation Level-

集合住宅の再生について、現在明確に用いられていない関連用語の生理及び再生工事種レベルの設定・分析を行った。
西村 秀之、松村 秀一、梁 成旭、鶴谷 嘉平
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

マスハウジング期に建設された集合住宅の再生手法に関する研究 ―その2―再生事例の国際比較研究
A Study on the Rehabilitation Method of Collective Housing Built in Mass-housing Era -Part 2 A Study on the International Comparision of Rehabilitation Cases-

日欧米の6カ国で戦後大量に建設された集合住宅の現在の問題点とその解決方法について調査を行い、既存住宅を活かしながらの住環境改善の方向性について考察を行った。
梁 成旭、松村 秀一、村上 心、鶴谷 嘉平、西村 秀之
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

集合住宅におけるストック改善手法に関する研究
老朽化した既存集合住宅に大規模な改修などの手を加え、魅力的で今日の要求水準を満たす住環境として再生させる手法について、日本の現状に基づき、その枠組を提案している。
松村 秀一、梁 成旭、西村 秀之、葛 海瑛、他
(財)第一住宅建設協会、(財)地域社会研究所、1997-2

日本における集合住宅の再生をめぐる実態調査
An Investigation into Actual Conditions of the Rehabilitation of Multi-family Dwellings in Japan

未だ発展段階にある日本の集合住宅においての再生産業の現状と大規模改修工事の実例を調査して、ストック方社会へ移行するための阻害要因と問題点を明らかにする。
今泉 航太
卒業論文、1997-2

マスハウジング期に建設された集合住宅の再生に関する研究 ―5カ国の再生事例比較を中心として―
An International Comparative Study on the Rehabilitation Method of Multi-family Dwellings Built in the "Mass-housing" Period -Comparative Study on the Renovation Cases in Five Countries-

世界各国でマスハウジング期に建設された集合住宅の再生に関して、丁・仏・独・日・米での典型的な8事例の比較調査を行い、日本の問題点及び今後の方向性について考察した。
西村 秀之
修士論文、1997-3

マスハウジング期に建設された集合住宅の再生手法に関する国際比較研究
An International Comparative Study on the Rehabilitation Methods of Existing Multi-family Dwellings Built in the Mass-housing Period

日本・デンマーク・フランス・ドイツ・アメリカの5カ国において、1960〜70年代に建設された集合住宅の再生工事の内容、コスト、構成、意志決定過程などを比較分析したもの。
松村 秀一
住宅総合研究財団研究年報、No.23、1997-3

3−4 情報

建築におけるCALS1:生産情報のオープン化
CALS in the Construction Industry 1 : Standardization of Product Informations

分散型の生産構造を持つ建設業にとって、CALS推進の意義は大きい。但し、推進の前提条件は、現在使われている情報や業務そのものの標準化に他ならない。
米田 雅子
日本建築学会建築雑誌、1996-6

建築におけるCALS2:デジタル情報のオープン化
CALS in the Construction Industry 2 : Standardization of Digital Informations

CALSにおける重要な3つの規約はISO標準である。文書標準SGML、電子商取引EDIFACT、プロダクトモデルSTEPの普及が推進されている。
米田 雅子
日本建築学会建築雑誌、1996-7

建築生産における意志決定プロセスに関する研究
A Study on the Control of the Decision-Making Process in Building Production

複雑に絡み合う建築生産上の意志決定要素について項間の前後関係の特定だけに基づき、全体のあるべきプロセスをモデル化する手法に関する研究。
松村 秀一、小見 康夫
Proceeding of International Symposium for the Organization and Management of Construction,Vol.2,E&FN Spor ,1996-8

工業化住宅の性能表示について
プレハブ建築協会の夏季ゼミナールでの講演録。工業化住宅の性能表示について、その意義、これまでの議論、そしてこれからの実践方法などについて語ったもの。
松村 秀一
JPA(プレハブ建築協会)、1996-9

建設業と情報社会1 建設業と製造業の情報化を歴史的に比較する
Construction Industry and Information Society 1 Historical Comparision between Construction and Manufactory

建設業の情報化の特徴を、製造業との比較によって、歴史的変遷も踏まえて論説したもの。
米田 雅子
建築技術、1996-11

建設業と情報社会2 建設業における情報の値段
Construction Industry and Information Society 2 Price of the Information on Design and Construction

市場経済は実態のある「モノ」をベースに決まっており、「情報の値段」とは必ずしも適合的でない。建設業に内包される情報経済の仕組みの分析を試みたもの。
米田 雅子
建築技術、1996-12

建設業と情報社会3 情報の工業化が進む
Construction Industry and Information Society 3 Industrialization of Information

コンピューターは、製造業における工業化に似た現象を、情報の世界に引き起こしつつある。情報の工業化が、設計界にもたらす影響について論じたもの。
米田 雅子
建築技術、1997-2

A Comparative Study on Participation Forms of Top Contractors in the World Market
世界のトップクラス建設業者の海外市場での活動様態について、Engineering News Record誌の調査データを経年的に分析することで明らかにしたもの。
松村 秀一、井手 小女美
Proceeding of the CIB International Conference on Construction Modernization and Education,1996-10

3−5建築生産その他

建設プロジェクトにおける発注方式に関する研究
A Study on Order Systems in Construction Projects

変革期にある建設産業においてその変化に対応可能な発注方式を考察するために、既存発注方式の整理、マネジメント機能への要求事項とそれに対する現行教育制度の分析を行った。
池 尚
学位論文、1996-12

4 地震

被災地も使い続けるストーリーを
The Necessity of Strategy after the Seismic Disaster

兵庫県南部地震におけるカーテンウォールの被害と、その後の補修について報告し、今後の課題として設計、施工上注意する点と、被災後の使い方も含む新しい方向を指摘した。
清家 剛
日経アーキテクチュア、1996-6

阪神・淡路大震災から学んだこと
The Problems from the Great Hanshin-Awaji Seismic Disaster

兵庫県南部地震の中で、メタルカーテンウォール及び建具の被害を紹介。前者は被害が少なく後者は横連窓等での被害を明らかにし、今後の注意点について指摘している。
清家 剛
WORKS26(三協アルミ)、1996-夏

平成7年度兵庫県南部地震による建具の被害状況調査報告
A Report of Research on Metal Curtainwall, Doors and Windows Damaged by the 1995 Hyougo-ken Nanbu Earthquake

兵庫県南部地震による非構造部材(金属カーテンウォール・サッシ・ドア)の被害に対して、日本サッシ協会・日本カーテンウォール工業会が行った点検・補修を基にした調査報告。
名取 発、坂本 功、清家 剛
日本建築学会大会学術講演梗概集、1996-9

平成8年度兵庫県南部地震におけるPCカーテンウォールの被害 その1−3
Damage of PC Curtainwalls by the 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake Part1〜3

兵庫県南部地震によるPCカーテンウォールの被害について、外観調査、内部調査の分析を行い、これらの被害の要因について考察を加え、今後の方向について示している。
清家 剛、坂本 功、他
日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)、CA―1、875-880、1996-9

1995年度兵庫県南部地震による木造住宅の被害に関する研究(その1〜2)
A Study on Damage of Wooden Houses caused by the 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake (1)〜(2)

兵庫県南部地震による木造住宅の被害調査をまとめたもの。その1では住宅金融公庫融資住宅についてまとめ、その2では、住宅の間取りの面から分析を加えた。
岸 雅和、徳田 文佳、大橋 好光、坂本 功
日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)、1996-9

鋼構造建築物の地震応答とPCカーテンウォール被害 ―その1〜4―
Structural Response and PC Curtainwall Damage of Steel Structures in Earthquake Part1-4

兵庫県南部地震を受けた鋼構造物でPCカーテンウォールの取り付けられた建物18事例について、今回の波による地震応答解析を行い、その結果と実際のPCの被害を比較した。
清家 剛、他
日本建築学会東海支部研究報告書、第35号、1997-2

戸建住宅の常時微動測定
Micro Tremor Test on Detached housings

戸建住宅のうち現代的な建物について常時微動測定を行うため、横浜市の住宅展示場において、構法の多様な12棟を対象とし、携帯型常時微動計を用いて測定した。
木村 大
卒業論文、1997-2

5 その他

大規模建築を被うプルーヴェ流
Prove's Envelopes on Large Scale Buildings

ジャン・プルーヴェの作品の中でも巨大な2つの建物、CNITとTour Nobelのガラスのカーテンウォールについて解説したもの。
松村 秀一
Glass & Architecture、1996-4

曲げ鋼板の祭典―クリシー人民の家―
Festival of Folded metal -Maison du Peuple a Clichy-

ジャン・プルーヴェ初期の傑作「クリシー人民の家」のカーテンウォールについて、その魅力を支える詳細について解説したもの。
松村 秀一
Glass & Architecture、1996-4

毎日現代用語 ’97 - 「知恵蔵」
毎年担当している「住宅」の関連用語およびニュートレンド。本年のニュートレンド欄では性能表示等に言及している。
松村 秀一、他
朝日新聞社、1996-12

アメリカ-インダストリアライズド・ヴァナキュラーの聖地 他3編
America - The Holy Place of "Indstrialized Vernacular"

主として19世紀から20世紀前半にかけて出現したアメリカの革新的な住宅建設技術について概要を論じた後、「アルミネア」等具体的なプロジェクトの幾つかにつき詳述した。
松村 秀一
Glass & Architecture、1996-12

カリフォルニア・モダニズムの輝き
The Brightness of California Modernism

ルドルフ・シンドラーやリチャード・ノイトラを中心とするカリフォルニア独自の近代建築の展開について、その歴史的経緯などを論じたもの。
松村 秀一
Glass & Architecture、1997-3

シンドラーのアパートに住む ノイトラのアパートに住む
Apartment Houses Designed by Rudlph Schindler and Richard Neutra

ロサンゼルスに現存するルドルフ・シンドラー設計の集合住宅とリチャード・ノイトラ設計の集合住宅についての論考。
松村 秀一
Glass & Architecture、1997-3

座談会-ネオ・ヴァナキュラーあるいは建築の現在形に向けて-
A Talk on "Neo-vernacular" of Architecture

同誌に新連載「ネオ・ヴァナキュラー考」を始めるにあたり、槇文彦氏、岸和郎氏という世代の異なる建築家と共に、建築という行為が現在置かれている状況について論じた。
松村 秀一
新建築住宅特集、No.128、1997-1

剣持聆の予言と現在
The Meaning of Ryoh Kenmochi's Prophecy

剣持聆が30年前に唱えた「規格構成材建築方式」。その代表作「秦邸」を訪れ、その真価と今日的な意味について論じたもの。
松村 秀一
新建築住宅特集、No.129、1997-1

「テクノロジー・ワンスモア」の解説
Comment on "Technology Once More"

日本の産業構造が変化していく過程を、各エンジニアのインタビューより浮かび上がらせた「テクノロジー・ワンスモア」(未来技術研究会著)を研究会の一員として概説。
米田 雅子
「テクノロジー・ワンスモア」、1997-2

6 前年度の補遺

在来構法の迷路に迷い込む
Going This Way and That in a Maze of Conventional Type Construction of Wooden House

阪神・淡路大震災に鑑みて、軸組構法を中心に、木造住宅の構造設計・耐震設計の現状について、やや批判的に述べたもの。
坂本 功
建築知識スーパームック「地震に強い『木造住宅』の設計マニュアル」、建築知識、1996-1

輸入住宅ユーザーマニュアル
Imported Housing User's Manual

建設省建築研究所の委託研究をもとに作成された、輸入住宅のユーザーおよびサプライヤーのための解説書。英訳版も作成された。
小見 康夫、他
輸入住宅ユーザーマニュアル、1996-3

輸入住宅に関する研究報告書
A Report of the Study on Imported Housing

建設省建築研究所による輸入住宅に関する委託研究。最近話題の輸入住宅を様々な角度から包括的に分析している。ここではユーザー調査・業者調査・海外調査を担当している。
松村 秀一、米田 雅子、小見 康夫、名取 発、加々井 千裕、脇山 善夫、渡辺 絵理子、他
輸入住宅に関する研究報告書、1996-3

 

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