90年度 研究室年報

T 建築構法

第2回内田賞顕彰事績「プラスティックコーン式型枠緊結金物の開発と普及」
第2回内田賞顕彰事績である「プラスティックコーン式型枠緊結金物の開発と普及」について、技術的系譜、日本および海外のRC打ち放し建築についてまとめ、紹介したもの。
浦江 真人、栗田 紀之
内田賞委員会、1990-6

新鉄骨ビルディングシステム
新しい鉄骨ビルディングシステムの開発にあたり、トータルシステムの必要性について様々な具体例を紹介しながら論ずる。
松村秀一、北原 オズヴァルド雅和
鉄鋼技術、 1990-6

新鉄骨ビルディングシステム
新しい用語である「新鉄骨ビルディングシステム」の背景、目指すところ、現在の動向等を整理し解説している。
松村秀一
建築技術、 1990-12

新・ファサードの考え方
都市型中小ビル向けの新しい外壁構法の必要性を指摘した上で、そうした新しい構法に求められる生産供給面の条件等を明らかにしている。
松村秀一
建築技術、 1990-11

欧米の石張りカーテンウォール
欧米で盛んに行われているスチールフレームに石を組み込んだ構法を中心に、1989年の調査旅行で見学した石を外装に使った現代建築について紹介している。
深尾 精一、清家 剛
建築技術、 1990-11

金属屋根レポート1/金属屋根レポート2/板金レポート2/
板金職人の話を通じて、尾鷲市の天文台屋根工事と、岡山の茅葺屋根を銅板で包む構法について報告している。また、板金職人の技術と道具に関する報告も含まれる。
清家 剛
建築技術、 1990-9

U 木造建築
U−1 実験・解析

枠組壁工法住宅の免震工法に関する地震観測
東大生研の千葉実験所に建てた積層ゴム型免震支承による2階建のツーバイフォー実験住宅における地震観測結果3回分の最大加速度とスペクトル解析の結果について述べた。
坂本 功、大橋 好光
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

SEISMIC BEHAVIOR OF BASE ISOLATED TWO-STORIED WOODEN BUILDING -STATIC LOADING TESTS AND EARTHQUAKE OBSERVATION-
東大生研の千葉実験所に建てた積層ゴム型免震支承による2階建のツーバイフォー実験住宅における地震観測結果3回分の最大加速度とスペクトル解析の結果について述べた。
坂本 功、大橋 好光、藤井 良隆
Proceedings of the 1990 International Timber Engineering Conference、 1990-10

STUDY ON ELASTIC DEFORMATION PERPENDICULAR TO THE GRAIN IN WOOD
任意の端距離、縁距離、材厚、加工面の長さと幅の、直方体木材の等変位めりこみの弾性剛性に関する理論式を、Boussinesq解と鏡像仮定を用いて導いた。
稲山 正弘、坂本 功
Proceedings of the 1990 International Timber Engineering Conference、 1990-10

集成材による柱−梁接合部の強度実験(その5 引きボルト型接合部に関する実験)
木造で接合部を剛接、あるいは半剛接にする方法として、いわゆる引きボルトを用いた接合部をとりあげ、仕口部分の形状、接着剤の充填等をパラメーターとして実験を行った。
大橋 好光、坂本 功、安藤 文男、五十田 博
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

集成材による柱−梁接合部の強度実験(その6 引きボルト型接合部の実験結果の考察)
<その5>で行った実験の結果考察。引きボルト型接合部はかなりの強度・靭性を示すが、めりこみを起こす部分にガタがあると、極端に耐力が低下してしまう。
五十田 博、坂本 功、大橋 好光、安藤 文男
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

通直集成材による柱−梁接合部に用いられるジベルのせん断実験
集成材による大規模木造建築物の架構として、通直集成材による軸組構法の接合方法の一つである合わせ梁型接合を取り上げ、その代表的接合具(ジベル)単体のせん断加力の実験を行った。
安藤 文男、坂本 功、大橋 好光、五十田 博
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

U−2 木構造一般

構造設計
木構造の構造計画と構造計算について、要点だけを書いたもの。
坂本 功
大スパン木構造の今(木造建築物設計施工の手引き)、1990-7

U−3 その他

丸太組工法技術基準・同解説
丸太組構法に関する建設省告示が改正されたのに伴う改訂版(旧版は1987年版)
坂本功他
(財)日本建築センター、1990-6

木による構造デザイン
日本における現代木造建築のうち、構造的に特色のある作品について紹介し寸評するとともに、木構造の現状や展望を述べた。
坂本 功
建築文化、1990-11

「新木造」とは何か
特集記事の総論として、「新木造」と呼ばれる所以、構法の選択、材料の選択、構造計画、接合部の設計等について留意点を述べた。
坂本 功
建築知識、1991-2

震災建築物等の被災度判定基準および復旧技術指針(木造編)
以前に建設省の総プロとして行われた表題の研究成果を、実用的な方法としてとりまとめたもの。
坂本功他
(財)日本建築防災協会、1991-2

木構造の表現と使われ方に関する考察・その2
近年の木構造の位置づけ等を分析するため、最も典型的な湾曲集成材アーチ建築に注目し、そのスパンやプロポーションを軸に基本型から発展型へ変遷していく過程を考察したもの。
栗田 紀之、大橋 好光
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

建築材料の変遷・シリーズJ 木と木造建築の技術
木と木造建築の技術について、太古から現代までの変遷、歴史をかいつまんで、わかりやすくまとめたもの。
栗田 紀之、坂本功
建築保全 No.69 ((財)建築保全センター)、1991-1

木造の塗装を考える 木部の仕上げに関する会員アンケート報告
輪島市での公開フォラムの基礎資料。建築木部の仕上げ、特に「白木と塗り」に関して、フォラム会員にアンケート調査を行った。本稿はその報告、ならびに分析・解説である。
栗田 紀之、三宅 浩之
木造建築研究フォラム第16回公開フォラム資料、1991-2

木質内外材国産化対策調査事業中間報告書 2.試作棟図 ほか
最新あるいは開発中の木質内外装材の施工実験のため試作を行った。試作建物の設計を担当し、ここではその建物の概要を示している。
栗田 紀之
(財)日本住宅・木材技術センター、1991-3

V 建築生産
V−1 生産供給

建材の革新と住宅生産技術
建材開発について、その労働力吸収のパタンや質の問題、さらには部分と全体の問題等を取り上げ論ずる。
松村 秀一
住サイエンス’90春号、 1990-4

都市域における住宅生産の変容
1990年3月に行われた「3階住宅フォーラム」の講演録。都市域で活性化しつつある3・4階建て住宅市場の構造、今後の方向等を論じている。
松村 秀一
バイ・スリー vol.6、 1990-9

新たな開発主体による構法開発の動向と展望
共同住宅生産の中に占める小規模な建設業者の位置の大きさを明らかにした上で、この分野での技術開発のあり方、開発主体の可能性を見極めようとする。
松村 秀一
日本建築学会・秋季大会協議会資料「集合住宅生産の工業化、再び」、1990-10

住宅商品の夢と現実
「部品」をキーワードに、グロピウス・剣持ヤらを参照しつつ、20世紀における建築家と産業の関係を総括しようとした論文。
松村 秀一
群居25号、1990-12

すまいづくりにおける設計者と部品産業
自己増殖する住宅部品の現況を分析した上でこれに設計者がどう対面していくことができるかを、座談形式で考えようとした。
松村 秀一、岩下 繁昭、近角 真一
すまいろん 1991年冬号、1991-1

プレファブリケーションのメリットと未来
プレファブリケーションとマスプロダクションの概念の違いについての思考に依拠しつつ、建築における「部分と全体」の問題を論じる。
松村 秀一
α−N、1991-3

住宅生産の全体像とその中での工務店
新たに構想した「住宅生産気象図」によって住宅建設の市場動向を明らかにした後、今後変化すべき工務店像について論じる。
松村 秀一
工務店経営 No.256、1990-7

部品メーカーと町場工務店の新しい関係
松下電工NHGの試みを通して、部品メーカーと工務店の関係のあり方、地域型木造住宅の行方等を対談形式で考える。
松村 秀一
すまいろん 1991年冬号、1991-1

中高層住宅における施工業者の実態調査
中高層住宅を施工する比較的規模の小さな業者(年商10億〜1000億円)に対して、保有技術等に関するヒアリング調査を行ったものの報告。
松村 秀一、清家 剛ほか
中高層住宅生産供給高度化プロジェクト研究報告書T、建設省住宅局住宅生産課、1991-1

中高層建築物の外壁設計プロセスに関する研究−施工者による設計支援について
16棟の中高層建築物の外壁設計プロセスを調査し、施工者による設計者への支援の為され方と設計組織のタイプや外壁構法などとの相関について考察している。
小柴 新、浦江 真人、古屋 正次、松村 秀一、清家 剛
日本建築学会・第6回建築生産と管理技術シンポジウム、1990-7

中高層建築物外壁の構法と設計プロセスに関する研究
中高層建築物の外壁における意匠と構法の関連を示し、構法によって設計プロセスが異なることを16棟の実例調査からしめしている。
小柴 新、松村 秀一、清家 剛、深尾 精一、角田 誠、古屋 正次
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

実施設計における情報決定プロセスに関する研究
建築生産プロセスに存在する情報、特に図面情報に着目し、その決定プロセスを記述し、プロセスで生じる情報の相互影響を把握するための手法について述べている。
佐藤 考一、松村 秀一、浦江 真人
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

建築生産組織の日本的特質に関する研究−建築プロジェクトの国際化時代における一考察
諸外国との比較によりわが国の建築生産組織の特質を明らかにし、そこから外国の建設会社がわが国の建築プロジェクトに参加する際の課題を整理している。
小栗 新
東京大学大学院修士論文梗概集、1991-2

住宅生産工業化過程における技能労務の質的変化に関する研究−木造軸組構法におけるプレカット化を通して−
木造軸組部材生産におけるプレカット工法の導入を対象に、機械に置換することによる技能労務の質的変化や、組織・生産体制の変化・問題を考察し、工業化効果について論じた。
趙 美蘭
東京大学大学院修士論文梗概集、1991-2

V−2 ハウジング

ハウジング・コミュニティ'90
建築文化「住宅年鑑」における特集「ハウジング・コミュニティ」の3回目。今回の特集は第2世代の集合住宅。松村、浦江、清家、小見等がそれぞれの視点から論ずる。
松村秀一、浦江 真人、清家 剛、小見 康夫
建築文化 1990-5

都市型住宅生産システム研究 その13〜3、4階建て住宅の類型化
都市部における3、4階建て住宅を、その用途と敷地面積により9タイプに分類し、それぞれの属性について分析している。
清家 剛、藤澤 好一、松村 秀一、土屋 千尋
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国) 1990-10

プレハブ住宅の過去・現在・未来
プレハブ住宅の過去として「商品化住宅」時代の意味を、又現在として「設計の商品化」の問題を問い直した上で、「プレハブ住宅」という枠を超えた未来の姿を予見する。
松村秀一
建築と社会、 1990-5

集合住宅における住戸内部の供給手法に関する研究−賃貸集合住宅におけるユーザー参加の可能性について−
集合住宅の供給プロセスにおける様々な「ユーザー参加手法」について、既往の理論・実施例を分析するとともに、賃貸住宅での可能性について、主に経済性から考察を行った。
小見 康夫
東京大学大学院修士論文梗概集、1991-2

建替事業にみる公共住宅の公共性
東京都の公共住宅建替事業について、家賃値上の問題、住民参加・合意形成とそれに対応する工事体制の未整備、などの視点から述べたもの。
MARC BOURDIER
福祉展望(東京都社会福祉協議会)No.10(1990・秋)、 1990-9

住宅版「紺屋の白袴」考・私はこうして住居をかえました
実体験に基づきながら、東京の住宅戦争の悲喜こもごもをリアルに伝えるエッセイ等。
本浦 千代吉(松村 秀一)
群居23号、 1990-4

V−3 施工管理

V−4 情報

基準階工程IFMからのn工区分割同期化工程の導出法
単工区モデルの基準階工程を表すインターフェイス・マトリクス(IFM)より、さまざまな工区分割数の多工区同期化工程を算出する方法を論じている。
安藤 正雄、浦江 真人、河谷 史郎
日本建築学会・第6回建築生産と管理技術シンポジウム、1990-7

超高層RC造の鉄筋工事の施工性に関する研究
超高層RC造の鉄筋工事に関して、文献資料などから工法の特性をまとめ、さらに現場調査により、施工計画、施工技術、作業実施成果などの施工性分析を行った。
呉 東航
東京大学大学院修士論文梗概集、1991-2

中小工務店−2000年代の建築生産と施工技術・予測26
中小工務店の存在意義を再考することの必要性を指摘した上で、今後の中小工務店のあり方を決定づける時代の要請への対応手法について論じる。
松村 秀一
建築の技術 施工、1990-10

W その他

サンフランシスコの地震におけるガラスの被害とその教訓
 ロマ・ブリータ地震におけるショーウインドウや窓ガラスの被害調査結果とその教訓について述べた。
坂本 功
建築防災、 1990-5

プロとアマ鑑別法
専門家と素人とを見分ける方法として、「キーワード法」「職業意識法」「定量法」などを挙げて綴った随想。
坂本 功
建築防災、 1990-11

茂原市における竜巻の被害(速報)
1990年12月11日に、千葉県茂原市で起こった竜巻による被害状況を、主に写真によって説明した。
坂本 功
建築防災、 1991-2

韓国の複列型間取りの民家における採暖方法に関する一考察
韓国の民家における、採暖方法の変遷と間取りの形成との関係性に関して考察を行ったもの。
趙 源錫、安藤 邦廣
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)、 1990-10

建築部品データモデル研究−部品概念を中心として−
建築生産の情報統合化のために必要とされる情報(あるいは知識)の表現手法に関して述べたもの。知識表現に対する提言。
平沢 岳人
日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)、 1990-10

現場に進出する女性技術者
「変わりつつある現場」の一例として大手建設会社の女性技術者3名にインタビューを行い、就職の動機、仕事の内容、将来の夢などを聞いている。
小栗 新
日本の技術、施工、 1990-4

X 前年度の補遺

A STUDY ON THE HOUSING PRODUCTION SYSTEM IN THE TOKYO URBAN AREA

ロンドン大学バートレット・スクールにおいて数十名の参加を得て行われたUK−JAPANセミナーに提出した論文で、東京での町場生産システムの変容を分析している。
松村 秀一、藤澤 好一
UK−JAPAN SEMINAR at LONDON、 1989-11

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