88年度 研究室年報

T 建築構法

構法的にみたALCパネル−外壁取付け構法の開発例
スウェイ構法の例として、イトンDP構法、デュロックスのDDD構法、ロッキング構法の例として、へーベルHDR構法、シポレックスのN構法などを紹介したもの。
坂本 功
建築の技術 施工、1988-4

第1回内田賞顕彰事績「目透し張天井板構法の開発と普及」について
「内田賞」について紹介した後、第1回の顕彰事績である「目透し張天井板構法の開発と普及」について、技術的系譜を中心に書いたもの。
松村 秀一
ビルディングレター、1988-9

目透し張天井板の開発と普及
「内田賞」について紹介した後、第1回の顕彰事績である「目透し張天井板構法の開発と普及」について、技術的系譜を中心に書いたもの。
松村 秀一
ディテール98号、1988-9

木都からの住宅部品
秋田県能代市という大工の町で育った住宅部品「張天井板」について、その技術史、今日の状況をまとめている。
松村 秀一
群居18号、1988-8

3階建住宅を創る
建設省住宅局住宅生産課の監修による同意のなかの第3章第2節構造編。9種の構法について各々構法の特徴、2階建との違い、構造系計画上の留意点、各部構法等を解説している。
松村 秀一、稲山 正弘  他
単行本(創樹社)、1988-6


U 木造建築
U-1 実験・解析

SEISMIC RESPONSE AND REQUIRED LATERAL STRENGTH OF WOODEN DWELLINGS
標準的な1〜3階建木造住宅を、質点系モデルに置換し、いくつかの地震波を入力して非線形応答計算を行い、その結果から、平均的な応答変位を求めるグラフを提示したもの。
坂本 功、大橋 好光
Proceedings of the 1988 International Conference on Timber Engineering、1988-9

集成材による柱−梁接合部の強度実験 その1 その2
集成材の柱−梁接合部に曲げモーメントを加えて、変形とモーメントの関係を調べた。本報は釘打ち、ボルト締め、ドリフトピンによるガセット接合について述べたもの。
坂本 功、大橋 好光、安達 文男
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

ブルドック式ジベルの強度実験
木質構造の柱−梁接合部として、ジベルの使用が考えられるが、本報は、ブルドック式ジベルという厚入ジベルの荷重とずれの関係を柱−梁接合部及び柱脚について求めたもの。
安達 文男、坂本 功、大橋 好光
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

EXPERIMENTAL STUDY ON BEHAVIOR OF WOODEN FRAMES WITH BEARING WALLS SUBJECTED TO HORIZONTAL LOAD
在来木造住宅の一部を取出した2層分の壁の水平せん断加力時の挙動を調べた。特に、ラスモルタル仕上げと木片セメント板の仕上げについて、軸組と仕上げ後を比較した。
大橋 好光、坂本 功
Proceedings of the 9th World Conference on Earthquake Engineernig、1988-8

EFECT OF HORIZONTAL DIAPHRAGM ON BEHAVIOR OF WOODEN DWELLINGS SUBJECT TO LATERAL LOAD EXPERIMENTAL STUDY ON A REAL SIZE FRAME MODEL
6畳と4.5畳の大きさを持つ在来軸組構法の立体架構全体の変形を、骨組みの場合から床仕上げ、壁仕上げを付加しながら計測したもの。
大橋 好光、坂本 功
Proceedings of the 1988 International Conference on Timber Engineering、1988-9

EXPERIMENTAL STUDY ON BEHAVIOR OF WOODEN DWELLINGS CONSIDERING HORIZONTAL DIAPHRAGM ACTION
在来軸組構法による実大2階建木造住宅(浜松市一条工務店提供)に対する水平加力実験の結果のうち、水平構面の力学的効果について、解析モデルによる検討を行ったもの。
坂本 功、大橋 好光、杉山 英男
Proceedings of the 9th World Conference on Earthquake Engineernig、1988-8

ALCパネルを用いた木造軸組床の面内剛性に関する実験的研究 その1 その2
木造住宅の床構法にALC板を使用することが試みられているが、本報は、その面内剛性を合板を張った場合と比較して、補強を施せば、合板と床同等の強度があることを示したもの。
坂本 功、大橋 好光、渡辺 拓文、横家 尚
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

木質ラーメン構造の開発研究 その2
3階程度の木造住宅を想定して、ラーメン構造による架構の実現を目指すもの。今年は柱脚接合部について、実験結果を述べたものである。
稲山 正弘、鴛海 四朗、藤沢 正美、中林 由行
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

木質ラーメン構造の開発研究 その3 1層門型ラーメンの非線形解析と水平加力試験
これまでの柱梁及び柱脚接合部の実験、解析を受けて、各接合部のM-θ包絡線と終局モーメントを区間推定し、それを用いて1層門型ラーメンの非線形解析と水平加力試験を行った。
稲山 正弘
日本建築学会関東支部研究報告集、1988-11

新都心型集合住宅システムの木質ラーメン構造の開発報告書 2.木質ラーメン構造の構造設計法(案)
4年間の開発委員会の最終段階として、木質ラーメン構造の構造解析設計法を、接合部の半剛接の扱い方などを中心に取りまとめた。
稲山 正弘、坂本 功 他
(財)日本住宅・木材技術センター、1989-3

新都心型集合住宅システムの木質ラーメン構造の開発報告書 4.設計要項(パネ協グループ) 
4年間の開発成果を設計要項としてまとめた。柱梁接合部、柱脚接合部の最終改良型の実験結果と、3階建の実大棟の施工写真、その構造計算書などを含む。
稲山 正弘、坂本 功 他
(財)日本住宅・木材技術センター、1989-3


U-2 木構造一般

非構造部材と木造建築は耐震設計耐震設計されていないか
非構造部材と伝統的な木造建築の耐震性についての考察を通じて、近代科学的方法の中核をなす分析−総合という手段の有効性を論じるとともに、その限界について言及したもの。
坂本 功
建築雑誌、1988-5

木構造計算規準・同解説
1961年の「木構造設計基準」の改訂版。接合部、ジベルなどの、新しい研究成果を盛り込んだもの。
坂本 功 他
単行本(日本建築学会編)、1988-11


U-3 その他

木造建築に潜む世界性と地域性を描き出す確かな視点と方法
太田邦夫著「東ヨーロッパの木造建築」に関する長めの書評である。
松村 秀一
住宅建築、1989-2

木構造の表現と使われ方に関する考察
近年の木構造を分類・整理し、木造建築の形態や空間は構造体に大きく、依存することを確認しながら、その表現方法や使われ方、設計上の操作などに様々な考察を加えたもの。
栗田 紀之
東京大学大学院建築学専攻1988年度修士論文梗概集、1989-2

模造軸組構法の架構に関する研究 その5 2階床組架構の評価方法について
本論文は、木造軸組構法を力学的かつ簡潔に評価する方法を検討すること、即ちその架構を考える上での合理的な物差しを示そうとするものである。
平沢 岳人、松留慎一郎、坂本 功、大橋 好光
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10


V 建築生産
V-1 生産・供給

住宅供給業者の棲分け構造に関する研究(1)
地域の住宅需要構造が住宅供給業者の棲分け構造にどのような影響を与えるか、また棲分け構造の変化は住宅供給業者の業態変化にどのような影響を与えているかを論ずる。
松村 秀一
住宅総合研究財団研究年報 No.15、1989-3

都市型住宅生産システム研究 その8 東京都心における鉄骨造建築物の生産主体
東京都心において3,4階建て建築物を鉄骨造で生産している主体に対して、アンケート調査を行い、年商と住宅依存率によって4つのグループに分類した。
清家 剛、藤澤 好一、松村 秀一、村上 心、土谷 千博
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

都市型住宅生産システム研究 その10 東京都心における鉄骨造建築物の生産システム
鉄骨+ALC造の生産システムにおいて施工業者が果たしている役割等を明らかにし、施工業者の業態の違いに応じた生産・品質管理体制のあり方を見極める。
松村 秀一、清家 剛、土谷 千博、村上 心、藤澤 好一
日本建築学会関東支部研究報告書、1988-11

図面情報に基づいた設計−施工インターフェイス研究
図面情報の分析を中心に、設計から施工に至る意志決定のプロセスおよび建築生産に必要な情報体系の構造の現状把握を行い、いくつかの建築生産情報構築モデルを組み立てる。
松村 秀一、安藤 正雄、三根 直人、浦江 真人、戸倉健太郎、清家 剛、世良 賢治
第4回建築生産と管理技術シンポジウム論文集(日本建築学会)、1988-7

中低層都市型ビルにおける外壁サブシステム研究
中低層都市型ビルの建築実態を把握し、その中の様々なタイプを考慮した上で、高レベルな技術であるカーテンウォールをこれらに普及させるための条件を整理している。
清家 剛
東京大学大学院建築学専攻1988年度修士論文梗概集、1989-2


V-2 ハウジング

戸建住宅の供給について
住宅産業について、一様な産業構造ではなく、各々特長を有した多様な形態の下位構造からなり、ダイナミックに変化し得る全体構造をイメージする。
松村 秀一
産業構造審議会 住宅・都市産業部会小委員会 第3分科会参考資料集(通産省)、1988-5

全国住宅消費者連盟探訪記 −「まじめな家づくり」ワッカルカナァ?−
横浜で住宅相談の活動を続ける「全国住宅消費者連盟」について、その活動の内容を紹介し、今後を展望する。
松村 秀一
群居17号、1988-5

住宅生産気象図の夢 −今、日本の住宅は誰がつくっているか−
「一体全体、今の日本の住宅は、誰がつくっているのだろう?」という問を立て、今日のハウジング・コミュニティ’88」巻頭論文
松村 秀一
建築文化、1988-5

住宅メーカーからの脱皮戦略
プレファブ住宅メーカーの歴史を、業域拡大という切り口で論じ、日本のハウジングと住宅メーカーの関係を明らかにしようとしたもの。
松村 秀一
建築文化、1988-5

ネットワークの核としての「地域ビルダー」構想
日本の住宅産業を支えてきたさまざまな職人とその生産技術をネットワークする核としての「地域ビルダー」の構想について、調査データに基づいて論じる。
松村 秀一
建築文化、1988-5

いずこも「最小限バスユニット」の集う町?
建築雑誌のシリーズ「列島縦断」のなかで東京からの報告という形で執筆したもの。本郷の住宅建設の実態を例にとり、東京都心部のハウジングの問題点を指摘する。
松村 秀一
建築雑誌、1988-6

建築界の動向−住宅生産
近年の住宅生産の動向について、その量的内訳に触れた後、個別化、設計行為の商品化、地域型化などのキーワードを軸に総括している。
松村 秀一
建築雑誌建築年報、1988-8

日本の住宅技術の流れと展望 −戦後の集合住宅技術を中心として−
戦後の日本の集合住宅について、その技術展開の流れを整理・解説した資料。全体は市浦都市開発建築コンサルタンツがまとめ、松村は主として生産技術について執筆した。
松村 秀一
(財)日本住宅総合センター、1988-11

UN MARCHE INTERIEUR EN PLEINE EXPANSION
日本の住宅生産について、その量が諸外国に比較して非常に多く、施工する工務店が小規模であるということを述べたもの。
MARC BOURDIER
France Japan Eco 35号、1988-4


V-3 施工管理

工程要素間のインターフェイスに基づいたリアルタイムの工事管理手法の開発
管理項目のインターフェイスに注目して、パーソナルコンピュータを使って現場でリアルタイムに工程管理、品質管理、資材管理、安全管理を行うシステムを開発した。
浦江 真人、安藤 正雄、岩下 繁昭、遠藤 祐造、河谷 史郎、河津 市郎
第4回建築生産と管理技術シンポジウム論文集(日本建築学会)、1988-7

水平・垂直に分割された工区の工程順序化
水平方向と垂直方向の2次元的に工区分割された工法について、工程間のインターフェイスを工区内、水平工区間、垂直工区間に分類し、工程計画を作成する手法を開発した。
安藤 正雄、浦江 真人、岩下 繁昭、遠藤 祐造、河谷 史郎、河津 市郎
第4回建築生産と管理技術シンポジウム論文集(日本建築学会)、1988-7

時間とサイクル数を変数としたインターフェイス・マトリクスによるリアルタイムの工程計算
工程間の先行後続関係に基づいて作成されたインターフェイス・マトリクスの非零要素にサイクル数を代入し、リアルタイムに工程の終了と開始可能工程が記録・検索される。
浦江 真人、安藤 正雄
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

工事工程に管理項目を組み入れた工事管理手法の開発
工事工程の先行後続関係のインターフェイスだけでなく、その他の品質管理、資材管理、安全管理についてインターフェイスを持つ管理項目も管理が行える手法を開発した。
河谷 史郎、遠藤 祐造、河津 市郎、安藤 正雄、浦江 真人、岩下 繁昭、
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

工務工程管理システムの開発
施工図の作成や資材の発注、契約などに関する現場管理業務である工務工程管理をコンピュータを用いて、開始、遅れを管理する。週間工程、業者別リストなども出力できる。
戸倉健太郎、安藤 正雄、浦江 真人、河谷 史郎、河津 市郎、長谷 芳春
日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1988-10

建築施工における工事管理手法の開発に関する研究
コンピュータの利用を前提として、施工のシステム化、リアルタイムの工事工程計画、統制手法と、それを組み込んだ総合的な工事管理システムの開発を目的とした研究である。
浦江 真人
学位論文、1988-12

ロボットオリエンテッドデザイン(特集/建設ロボット全研究[V]開発手法と要素技術2)
ロボット技術を建築に有効に活用するために、企画・設計といった初期の段階で現場組み立てまで考慮したデザインを行うことが必要となる。
THOMAS A. BOCK
建築の技術 施工、1988-5

ロボットオリエンテッド構法の計画手法に関する研究
ロボット技術を建築の施工に取り入れた場合の建築構法のひとつとして、ロボット技術を応用するのにふさわしい構法を提案し、そのあり方について論じたもの。
THOMAS A. BOCK
学位論文、1988-12


W その他

建築教育におけるマインド
技術革新と市場のダイナミックな変動により、個人とその職業の関係が全く偶然的なものになりつつあるなかで、建築教育に求められる条件を探る。
松村 秀一
建築雑誌、1988-11

建築再発見 スポエリの紺碧海岸白日夢
南フランスの小さな町ポール・グリモにアルザス出身の建築家フランソワ・スポエリが設計したネオ・ヴァナキュラーのリゾートについての紹介・解説。
松村 秀一
建築雑誌、1988-3

UNE INTERVENTION DE L'ETAT REDUITE AU MINIMUM
都市計画と土地問題の対立について述べたもの。土地の問題が著しくなればなるほど、都市計画の機能は弱くなってくる。
MARC BOURDIER
France Japon Eco35号、1988-4

LES GRANDS PROJETS DE LA BAIE DE TOKYO
東京湾計画について、個々のプロジェクトは存在するものの、統一性に欠け、混沌の状況を示している。東京湾計画には、もっと合理性が必要であるということを述べたもの。
MARC BOURDIER
France Japon Eco35号、1988-4

座談会・外国人から見た東京の土地問題
東京の土地問題についての在日外国人による座談会を収録したもの。土地の問題は、いったい誰の問題であるかを語った。
G.HIELCCHER、MARC BOURDIER、TONG-KI WOO、市原 久義
土木学会誌、1988-4

パネル・ディスカッション’88「窓を考える」
窓についてのパネル・ディスカッションでの発言。ヨーロッパと日本における「窓」に相当する言葉の語源から、窓の意味を考えたもの。
MARC BOURDIER
FAB FORUM、1989-1

体験から理論へ
特集「留学生のみた日本の建築文化」中の談話。大工修行などの日本での体験を通じて、日本とフランスの建築家や建築労働者の相違点などを語ったもの。
MARC BOURDIER
GRASS & ARCHITECTURE、1989-2

もっとバリエーションのある建築を
教育を受けた環境が根本的に違う私が、来日1年後に日本建築に対する感想を書いた。もっと多様性を求めるべきではなかろうかと議論した。
北原 雅和
GRASS & ARCHITECTURE、1989-2

一連の家具デザイン
1984年からの設計活動のなかで、家具メーカーに依頼されて設計した、椅子、机、照明、器具などの作品
北原 雅和
SPEHDカタログ他、1988-4

新都市型集合住宅快適居住空間形成手法研究開発(その3)報告書 U.快適居住空間の研究開発 1.立体住戸の設計・計画の考え方
一連の研究開発報告書のうち、1−2.立体住戸の構造躯体計画、1−5.可変性・可動性の考え方、の部分を栗田が執筆した。
深尾 精一、近角 真一、藤井 貴雄、栗田 紀之、他
(財)ベターリビング(内装・設備部会)、1989-3

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